行政書士の実務 契約書の作成


契約書などの重要な文書については、ビジネス文書ソフトなどを使って書き出すだけで済ませるのは危険です。自社に有利な条項もあれば、不利な条項も含まれているわけですから、個々の条項を正確に把握した上で、契約書を作成したり、相手から受け取った契約書を読んでいく必要があります。


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契約書 契約の基本8 契約書の標題(開業希望者必見!行政書士の実務メモ)

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契約書を作成する際には、標題をつけます。本で言えば、タイトルにあたるものです。
標題は、誰が見ても、この契約書がなにの契約書であるのか、はっきりと分かるように記載しなければなりません。
もちろん、長すぎてもいけませんし、短すぎても、なにの契約書が分かりません。
「契約書」と書かれているだけでは不十分です。
契約には、売買契約から請負契約、委任契約など、民法上に文言がありますから、民法の条文を見ながら、どの契約が最もふさわしいか決めることになります。
そこで、「売買契約書」となるわけですが、これだけでは、なにの売買契約であるか分かりません。
最後に契約の対象となるものを簡潔に表現する必要があります。
例えば、土地の売買でしたら、「土地売買契約書」のように記載することになります。

どの土地なのか言うことについても標題で記載するべきなのではないかと思うかもしれませんが、どこの土地かということまで、標題で記載していたら、標題が長くなりすぎで、かえって分かりにくくなります。ですから、一般的には、「土地売買契約書」まででとどめておくことになります。

また、契約は、ひとつの契約だけでなく、複合的な契約がなされることがあります。
例えば、会社間取引では、「継続的商品取引契約書」を作成することがありますが、継続的商品取引契約に加えて、根抵当権設定契約も締結されることがあります。
このような場合、「継続的商品取引契約並びに根抵当権設定契約書」と書いてもかまいませんが、それでは文章が長くなりますので、メインの契約だけ前に出して、「継続的商品取引等契約書」と記載するのが望ましいとされています。
特に、根抵当権設定については、代物弁済の予約等の契約も含まれていることがあるため、「継続的商品取引契約並びに根抵当権設定契約書」とだけ記載したのでは、代物弁済の予約等の契約はないものとして認識されてしまいかねません。
複合的な契約の場合は、二つの契約というわけではなく、契約書の条文を読めば、いろいろな契約がなされていることもありますので、「等」という言葉を使うことで、契約の種類に含みを持たせるというのが最も無難な方法といわれています。

また、契約関係であっても、契約書とだけ書くのではなく、「念書」「誓約書」という文字で表現している場合もあります。
契約は、売買契約を見ても分かるように、基本的に、当事者の双方が権利義務関係を追うことになります。売主は、商品を引き渡す義務。買主はお金払う義務を負うことになります。これの関係にある契約を双務契約と読んでいます。
しかし、中には、当事者の一方のみ義務を負う場合もあります。例えば、贈与契約の場合は、一方が物を引き渡す義務を追うことになります。このように一方のみが義務を負う形の契約を片務契約といいます。
片務契約の場合には、経由役所という文言を使わずに、「念書」「誓約書」などの文言を用いることが良くあります。

もちろん、片務契約だけでなく、双務契約の場合であっても、「念書」「覚書」などの契約を書くことがありますが、契約書の文字を用いなかったからといって、契約が無効になるということはありません。
契約書の標題はこのようにしなければならないという法律があるわけではありませんので、一般の取引慣行や、その場に応じた、契約書を作成することが望ましいことです。

以上、今日は、契約書の標題についてでした。



※契約書の実務に関わりたい方へ

契約書の実務では、民法を始めとした民事法の知識が必要です。民法はもちろんのこと、消費者法関係などの特別法や民事訴訟法などの裁判手続に関する知識も必要です。

契約書は、いざという時は、裁判等において、重要な証拠となるものです。そのため、裁判になった場合に役に立つ契約書の文案や活用方法を熟知しておく必要があります。

行政書士試験の民法では高度なレベルの知識は問われません。

そのため、行政書士試験に合格できたというだけでは、契約書の実務に必要な知識は備わりません。最低でも、司法書士試験に合格できるレベルの知識を身につける必要があります。

契約書の実務は行政書士でもできますが、行政書士試験に合格した後も、引き続き、司法書士試験の勉強をするなどして、より高度な知識を身に付けるようにしましょう。


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